小説
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)42 パウンドケーキをつく……
パウンドケーキをつくったのは章子だが、家の中のすべてのものは容一のものだ。このケーキを金井政夫にやるぐらいなら、自分…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)41 香也子は台所に行って……
香也子は台所に行って、冷蔵庫をあけた。昨夜焼いたパウンドケーキが、アルミ箔に包まれてはいっている。素早くそれをつかむ…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)40 (わたしにだってお母……
(わたしにだってお母さんはいる)〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)39 章子は、一日に幾度と……
章子は、一日に幾度となく「お母さん」といい、扶代もまた章子に対する時、自分自身を「お母さん」という。香也子には決して…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)38 夕食の後片づけを終わ……
夕食の後片づけを終わった二人はキッチンを出て行った。容一の用事で、お手伝いの絹子は外出していた。ソファーにすわってい…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)37 「いいでしょう。パウ……
「いいでしょう。パウンドケーキはお前の手づくりだから、お母さんはそれだけでいいと思うけどね」〈作品本文の凡例〉https:/…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)36 「うん。ね、お母さん……
「うん。ね、お母さん、政夫さんにパウンドケーキだけでいいかしら?」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)35 「ハイハイ、耳のうし……
「ハイハイ、耳のうしろをよく洗うのよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)34 「じゃわたし、顔を洗……
「じゃわたし、顔を洗うから、お母さんきもの着せてね」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)33 章子はうきうきといい……
章子はうきうきといい、〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)32 「そう、うれしいわ」……
「そう、うれしいわ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)31 「喜びますよ。章子は……
「喜びますよ。章子はきものが似合いますよ。気性がおとなしいから」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)30 「政夫さん、笑わない……
「政夫さん、笑わないかしら」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)29 「ああきもの、それは……
「ああきもの、それはいいわね」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)28 「服じゃなくて、きも……
「服じゃなくて、きもの着たいのよ、お母さん。このあいだつくった単の……ね、いいでしょう、お母さん」〈作品本文の凡例〉htt…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)27 「どの服を着て行くの……
「どの服を着て行くの、章子」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)26 今日の夕方、早めに食……
今日の夕方、早めに食事を終えた扶代と章子は、キッチンで大きな声で話していた。居間のソファーにすわって、香也子はその話…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)25 この十年、幾度この言……
この十年、幾度この言葉を口に出してきたことか。口に出すたび、本当に自分は、自分を置いて行った母には決して会うまいと思…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)24 「あんな母さんに会い……
「あんな母さんに会いたくない」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)23 まじまじと保子を見つ……
まじまじと保子を見つめながら、香也子はたちまち空々しい気持ちになった。母を全く懐かしくなかったのではない。母が恋しく…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)22 香也子はぐるりと居間……
香也子はぐるりと居間の中を見まわした。水彩の旭岳の絵が壁にかけてあるだけの、すっきりとした和室だ。香也子の家のように…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)21 「きれいね、ずいぶん……
「きれいね、ずいぶん」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)20 手をとられるままに、……
手をとられるままに、香也子は保子に従った。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)19 「いいですとも、香也……
「いいですとも、香也ちゃん……ここは、あんたの……お母さんの家じゃないの」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)18 香也子はニコッと笑っ……
香也子はニコッと笑った。その笑顔の中に、別れた十歳の頃の香也子の面影が鮮やかに甦った。保子は涙声になって、〈作品本文…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)17 「いいんですか、はい……
「いいんですか、はいって?」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)16 「本当によくきたわ、……
「本当によくきたわ、香也ちゃん。さ、お上がんなさいよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)15 ツネは、そういって今……
ツネは、そういって今日も出かけたのだ。保子は覚悟を決めていった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)14 「うちは三人水入らず……
「うちは三人水入らずなんだからね、内緒だけはしないでおくれよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](四)13 香也子は、そのことが……
香也子は、そのことがツネには内緒だということを知らないはずだ。うっかり口をすべらせたならば、必ずツネは、激しく保子を…