小説
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)5 呟く胸に、容一のおだ……
呟く胸に、容一のおだやかな笑顔が浮かぶ。かつて容一の妻であった時には感じられなかった新鮮な愛情が、別れて十年も経った…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)4 (わたしどうかしてる……
(わたしどうかしてるのだわ、このごろ)〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)3 出がけにいった恵理子……
出がけにいった恵理子の言葉が、保子はふと気になった。十時ごろまで外出することなど、恵理子には滅多にない。そのことに気…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)2 「帰りは十時ごろにな……
「帰りは十時ごろになるかもしれないわ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)1 窓からアカシヤの花の……
窓からアカシヤの花の甘い香りがはいってくる。その香りが惜しくて、保子はもう夕闇が漂いはじめているのに、窓も閉めない。…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)30 七条通りで、恵理子は……
七条通りで、恵理子は右に曲がった。彫刻公園入口と西島は書いていた。約束の場所に、まだ西島の姿はなかった。恵理子はベン…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)29 喫茶店がある。画廊が……
喫茶店がある。画廊がある。洋品店があり、宝石の店がある。鳩が夕焼け空の下にいっせいに舞いあがり、また降りてきた。〈作…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)28 そう思うと、恵理子は……
そう思うと、恵理子は少し気持ちが暗くなった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)27 そのことを思い出して……
そのことを思い出して、恵理子はいま不意におかしくなったのだ。しかし、今日は口実を設けて出てきたものの、これからたびた…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)26 と逃げたのだった。……
と逃げたのだった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)25 「とてもとても、三時……
「とてもとても、三時までにはできないわ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)24 押しかぶせるようにツ……
押しかぶせるようにツネはいう。が、ツネの約束は三時だったので、恵理子はほっとして、〈作品本文の凡例〉https://www.miura…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)23 「いいよ、いいよ、つ……
「いいよ、いいよ、ついでだから届けてあげる」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)22 と、ツネがいった。ハ……
と、ツネがいった。ハッとする恵理子に、〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)21 「川田カメラ? ああ……
「川田カメラ? ああ、あのかわいい奥さんのいる店だね。わたしが届けてあげるよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-tex…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)20 「あのう、川田カメラ……
「あのう、川田カメラさんよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)19 アイスクリームをなめ……
アイスクリームをなめていたツネが顔をあげた。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)18 「おや、どこまでだね……
「おや、どこまでだね」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)17 「わたし、今日どうし……
「わたし、今日どうしてもワンピースをお届けしなければならないの」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)16 今日、昼食のあと、恵……
今日、昼食のあと、恵理子はさりげなくいったのだ。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)15 恵理子は靴屋のショー……
恵理子は靴屋のショーウインドーをのぞきながら、ふっと笑いたくなった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)14 四条通りを渡ると、人……
四条通りを渡ると、人の背丈よりも高い、両手をかたどった彫刻があり、噴水がその指をぬらしていた。まだ約束の時間まで二十…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)13 この買物通り公園は、……
この買物通り公園は、旭川の楽しいメインストリートだ。駅前から一キロほどのこの通りは、何年か前までは、一日に何万台かの…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)12 買物通り公園の真ん中……
買物通り公園の真ん中で、若い男女が人垣をつくっていた。中から歌声が聞こえてくる。人垣のうしろからのぞいて見ると、四、…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)11 とにかくいまの恵理子……
とにかくいまの恵理子には、あの西島広之と話ができるというだけで、幸せなのだ。この思いだけは、誰に知られなくてもいい、…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)10 と思ったりもした。西……
と思ったりもした。西島がなんのために自分に会いたいのか、恵理子にはわからない。それのすべてがはっきりしてから、母に告…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)9 (もしかすると、香也……
(もしかすると、香也ちゃんとのことを相談されるかもしれない……)〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)8 それでも恵理子は、……
それでも恵理子は、〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)7 が、一昨日の夕方、恵……
が、一昨日の夕方、恵理子にくれた西島の木片と、その時の真剣なまなざしが、恵理子に新しい希望を与えたのだ。〈作品本文の…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)6 そういって肩をすくめ……
そういって肩をすくめた香也子を、決して忘れてはいない。あの時恵理子は淋しかった。もう、西島と香也子の間には、はいりこ…