旭川
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)6 それにしても、母の保……
それにしても、母の保子を香也子は許せない気がした。わが子の幸せよりも、自分のことばかり考えていると思う。〈作品本文の…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)5 要するに、あの頑固な……
要するに、あの頑固な祖母を懐柔すればよいのだと、香也子はひそかに笑う。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)4 (これでお母さんの家……
(これでお母さんの家にも、大威張りで出入りできるわ)〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)3 香也子はアカシヤの花……
香也子はアカシヤの花の匂う夜道を、小川に沿って歩いて行く。川向こうの工場に夜業の灯があかあかと美しい。一本立った水銀…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)2 (大人なんて、甘いも……
(大人なんて、甘いもんだわ)〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](七)1 母の保子の家を出た香……
母の保子の家を出た香也子は、ひとりくすくすと笑った。章子の手作りのパウンドケーキを、自分の手作りのようにいって祖母の…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)66 きびしい語調でいい捨……
きびしい語調でいい捨てると、章子はさっと廊下に出た。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)65 「お母さん、どうして……
「お母さん、どうして奥さんのいる人となんか、仲よくなってしまったの。どうして死んだお父さんだけのことを考えて、わたし…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)64 章子は化粧をなおして……
章子は化粧をなおして、和服姿を鏡に写し、バッグを持って立ち上がった。が、うしろをふり返って扶代にいった。〈作品本文の…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)63 容一はそういいつづけ……
容一はそういいつづけてきたのだ。第一、外食もろくにできぬほどの潔癖な保子と、そう簡単に食事などできるわけがない。扶代…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)62 「全く、あんな女はか……
「全く、あんな女はかなわないよ。息がつまりそうだ。何せ、便所から出たら、十分も二十分も手を洗ってる奴だからな。それに…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)61 扶代は、寝物語に容一……
扶代は、寝物語に容一から聞かされた保子の潔癖ぶりを思い出した。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)60 「でもね章子、お父さ……
「でもね章子、お父さんはこの十年の間、いっさいあちらの家とは縁を切っていたのよ。それをいまになって……」〈作品本文の凡…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)59 「でも、そこまで嘘を……
「でも、そこまで嘘をいうとは思わないわ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)58 いいながらも、扶代は……
いいながらも、扶代は少し不安げにまばたきをした。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)57 「そんなこと、でたら……
「そんなこと、でたらめよ。香也ちゃんは時々、心にもないでたらめをいうからね」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)56 「でも、お父さんだっ……
「でも、お父さんだって人間よ。香也ちゃんはそのことで、金井さんに相談があるとかなんとかいってたわ」〈作品本文の凡例〉h…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)55 「まさか、お父さんは……
「まさか、お父さんはそんな人ではありませんよ、章子」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)54 「お母さん、昨日ね、……
「お母さん、昨日ね、香也ちゃんがひそひそと、金井さんに電話をかけていたわ。あのね、お母さん。お父さんがね、別れた香也…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)53 おだやかだが、気がか……
おだやかだが、気がかりな表情でいう。章子は顔をあげ、じっと扶代の顔を見つめながら、〈作品本文の凡例〉https://www.miura…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)52 「ね、何も知らないっ……
「ね、何も知らないって、どんなことなの?」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)51 章子は唇を噛んだ。昨……
章子は唇を噛んだ。昨夜香也子が、金井政夫にかけていた電話を、母に告げるべきかどうかと迷った。〈作品本文の凡例〉https:/…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)50 「…………」……
「…………」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)49 「何も知らない? な……
「何も知らない? なんのこと、それ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)48 思い切ったように章子……
思い切ったように章子はいった。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)47 「お母さん、お母さん……
「お母さん、お母さんは何も知らないからそんなのんきなことをいってるのよ」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)46 章子は時計を見た。約……
章子は時計を見た。約束の時間まで、まだ十五分ある。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)45 「そんなこといわない……
「そんなこといわないで、ね、機嫌をなおして金井さんのところへいらっしゃい」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.co…
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)44 章子の声がうるんだ。……
章子の声がうるんだ。〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
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『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](六)43 「きものや道具なんて……
「きものや道具なんて、わたしいらない」〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463