三浦綾子文学 語句索引(製作中)
六月にはいった今日、信夫は吉川の家にはじめて遊びにきていた。家には吉川修だけがいた。吉川の家には信夫の家のような門も庭もない。信夫の屋敷の三分の一もない三間ほどの二戸建ての家である。よしずでかこった出窓に植木鉢が並べられ、窓のすぐそばを人が通る。窓すれすれに人が通るということが、信夫には珍しかった。吉川の父は郵便局につとめていた。
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