『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)38 とほめた。それを聞い……

とほめた。それを聞いたとき、懐かしさよりも、激しい嫉妬を感じた。同じ父と母の子でありながら、姉のほうが優れていることが、香也子にはゆるせなかった。香也子にとって、母は自分を置きざりにして行った冷たい女だった。その母とともに住む恵理子は、同じくゆるし難い存在だった。しかも、小山田整が、恵理子と香也子を比較して、恵理子をほめたことが癎にさわった。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](一)47 そんな保子の肩を抱き……

  2. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](三)6 切った葉を古新聞にま……

  3. 『果て遠き丘』[ 起伏 ](三)70 「え? 本当に作って……

  4. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)61 といった。恵理子はう……

  5. 『塩狩峠』[ 菊人形 ]3 「何を考えている?」……

  6. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](十)2 と、保子はやさしく容……

カテゴリー

アーカイブ