香也子は再び視線を姉の恵理子に戻した。確かに従兄の小山田整がいったように、恵理子は知的で、かつしとやかだった。自分の持たぬものを恵理子は持っていた。母とともに、自分を捨てて行った恵理子の横顔を香也子は突きさすように見た。出て行って以来、一度も会ったことのない姉は、香也子にとって、他人より冷たく遠い存在だった。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
香也子は再び視線を姉の恵理子に戻した。確かに従兄の小山田整がいったように、恵理子は知的で、かつしとやかだった。自分の持たぬものを恵理子は持っていた。母とともに、自分を捨てて行った恵理子の横顔を香也子は突きさすように見た。出て行って以来、一度も会ったことのない姉は、香也子にとって、他人より冷たく遠い存在だった。
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