『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)41 正客への茶を点て終わ……

正客への茶を点て終わって、恵理子はいま、次の客への茶を点て終わっていた。恵理子は動揺していた。まだ名も知らぬあの青年が、わざわざ茶会にきてくれた。恵理子はいい難いときめきのうちに、茶筅を軽く動かしている。泡立った薄茶を恵理子は差し出して、静かに一礼した。そしてその目を香也子にあてた。


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](七)5 「香也子よ!」……

  2. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](九)9 間に立ったのは、しっ……

  3. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)13 「桂の新芽もきれいよ……

  4. 『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](四)41 それは金井も同じだ。……

  5. 『塩狩峠』[ 菊人形 ]149 「どんなふうにへんな……

  6. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](一)23 (お母さんはゆるして……

カテゴリー

アーカイブ