『果て遠き丘』[ 影法師 ](五)10 「整は今日、章子からの……

整は今日、章子からの電話を受けて、金井の相伴にやってきたのだった。整の車がバス通りを下って行った時、香也子が金井の車に乗るのを見かけた。香也子の性格をのみこんでいる小山田整には、ぴんとくるものがあった。遠くから後を尾けて行ってみると、案の定、途中で香也子が金井の肩に頭をよせるのが見えた。車は観音台の霊園のほうにむかって行く。そこが人けのない淋しい道であることを、小山田整も知っていた。金井の車が道の途中にとまった。整の車が近づくのも知らずに、ふたりが顔を近づけていた。クラクションを鳴らすと、あわててふたりは離れた。車を降りた整は、


〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463

関連記事

  1. 『塩狩峠』[ 母 ]145 と、トセには妥協のす……

  2. 『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](五)44 と、上機嫌でツネは押……

  3. 『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](五)72 笑ってごまかすツネに……

  4. 『塩狩峠』[ 菊人形 ]79 「変な子!」……

  5. 『果て遠き丘』[ 影法師 ](八)28 と探るように見、……

  6. 『果て遠き丘』[ 春の日 ](九)13 「汚いわねえ」……

カテゴリー

アーカイブ