と、ツネはにべもなく受話器を置いてしまう。祖母のツネにとっては、恵理子かわいさの思いですることだろうが、いつしか恵理子は、男性に近づくことも憚られるような思いにさせられていた。だから、向こう岸に現れた、ギターをかき鳴らすあの青年が、野点の席にきた時の喜びは、恵理子でなければわからない喜びだった。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
と、ツネはにべもなく受話器を置いてしまう。祖母のツネにとっては、恵理子かわいさの思いですることだろうが、いつしか恵理子は、男性に近づくことも憚られるような思いにさせられていた。だから、向こう岸に現れた、ギターをかき鳴らすあの青年が、野点の席にきた時の喜びは、恵理子でなければわからない喜びだった。
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