三浦綾子文学 語句索引(製作中)
根本先生が退める話を、信夫はきのうきいたばかりだった。根本先生に、どこにも行かないで自分のお嫁さんになってほしいと頼んだ一年生の時のことを信夫は忘れていた。しかし、先生の退職はやはり淋しかった。廊下で会うと、にっこり笑って礼を返してくれる先生が、もういなくなってしまっては困るのだ。なぜかわからないが無性に淋しいのだ。
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