まだ明るい戸外に恵理子は出た。夏至を過ぎたばかりだ。本州は梅雨時だというのに、からりとした日が幾日もつづく。庭隅のテッセンの紫の大輪が、しっとりと美しい。テッセンは恵理子の好きな花だ。その花をとりまく空気が静まっているようで、恵理子は出入りのたびに足をとめる。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
まだ明るい戸外に恵理子は出た。夏至を過ぎたばかりだ。本州は梅雨時だというのに、からりとした日が幾日もつづく。庭隅のテッセンの紫の大輪が、しっとりと美しい。テッセンは恵理子の好きな花だ。その花をとりまく空気が静まっているようで、恵理子は出入りのたびに足をとめる。
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