『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](二)27 そのことを思い出して……

そのことを思い出して、恵理子はいま不意におかしくなったのだ。しかし、今日は口実を設けて出てきたものの、これからたびたび西島と会うことになるとしたら、いったいどのようにして家を出ることができるだろう。いまどき、ツネのような固いことをいう大人は、どこにもいないのではないか。


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