窓からアカシヤの花の甘い香りがはいってくる。その香りが惜しくて、保子はもう夕闇が漂いはじめているのに、窓も閉めない。居間の電灯の下で保子は芍薬を青磁の壺に活けている。ツネは出稽古に、恵理子は仕立物を届けに出て行って、保子一人である。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
窓からアカシヤの花の甘い香りがはいってくる。その香りが惜しくて、保子はもう夕闇が漂いはじめているのに、窓も閉めない。居間の電灯の下で保子は芍薬を青磁の壺に活けている。ツネは出稽古に、恵理子は仕立物を届けに出て行って、保子一人である。
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