『果て遠き丘』[ 蛙の声 ](八)1 香也子があとを尾けて……

香也子があとを尾けているなどとは、恵理子も西島も、夢にも思わない。西島は今日、約束の時間より四十分も遅れて、彫刻公園にやってきた。それまでの間、恵理子はじっとベンチにすわって待っていたのだ。恵理子は、たとえ西島がこなくとも、二時間は待つつもりだった。約束を西島が反故にするとは思えなかったからだ。


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