『果て遠き丘』[ 蔓バラ ](二)1 午後六時、日没までは……

午後六時、日没まではまだ一時間もある。庭の芝生に、プロパンガスのボンベが持ち出され、いま、橋宮一家はテーブルを囲んでジンギスカン鍋をつついていた。ニンニクと生姜をすりこんだタレに、よく浸かった肉が、じゅうじゅうと音を立てて焼ける。ピーマン、ナス、モヤシ、長ネギなどの野菜が、鍋の縁の溝に煮え立っている。


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