コップが躍り上がった。思いがけない容一の見幕に、さすがに香也子はひるんだ。香也子はいままで、容一にきびしく叱られたことはない。他の目には我慢のできない香也子ではあっても、容一にはかけがえのない娘であった。その容一の甘さを香也子は敏感に感じ取り、勝手なふるまいをしてきたのだ。が、いま突っ立った容一の顔は、いつもの容一の顔ではなかった。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463
コップが躍り上がった。思いがけない容一の見幕に、さすがに香也子はひるんだ。香也子はいままで、容一にきびしく叱られたことはない。他の目には我慢のできない香也子ではあっても、容一にはかけがえのない娘であった。その容一の甘さを香也子は敏感に感じ取り、勝手なふるまいをしてきたのだ。が、いま突っ立った容一の顔は、いつもの容一の顔ではなかった。
〈作品本文の凡例〉https://www.miura-text.com/?p=2463